[コラム]「ウインズ」の将来

14日(土)、私はこんなツイートをした。

この日、私は新宿にいた。正確に言えば、私用で新宿を歩き回っていたのである。で、家を出る前に阪神ジャンプSの馬券を即PATで購入しており、更に某所に「闇営業」として、中山と阪神のレースにおける予想記事をいくつか書いていた。こうしたレースの結果を知りたいと思い、たまたま新宿にいたのでそのままウインズ新宿に足を運んだのである。

前回、ウインズ新宿にいたのはいつだったか、全く覚えていない。ウインズ新宿は東日本大震災で大きな被害を受けて、建て直された経緯がある。建て直されて以降は初めて足を踏み入れた。震災前より中が広くなっているからかもしれないが、「意外に人が少ないな」と感じた。

明らかに自分よりも年上と思われる人が多い。若い世代向きの場所ではないのは、以前からの傾向なので仕方がない。だが、自分は横浜で大学生だった頃、ウインズ横浜で競馬を覚えた人間である。競馬新聞の見方も、マークカードの塗り方も、予想についての基本的な考え方も、ウインズ横浜で覚えたと言っていい(当時の競馬法では学生は馬券を購入してはいかなかったので、違法行為ではあるのだが-笑)。だが、まだ競馬歴が浅いと思われる若者の姿は見当たらなかった。一応、こんなモノはあったのだが・・・。

こんな所に「競馬ビギナー」なんているのだろうか?自分の経験を棚に上げてこんなことを書くのも何だが(笑)、ビギナーにとってはかなり敷居の高い場所のように思えるのだが・・・。

周囲のオッサン達、オバチャン達を見ていて、気がついたことがある。競馬専門紙ではなく、スポーツ紙・夕刊紙を手にしている人が多いのだ。中にはスマートフォン・タブレット端末のみを武器に馬券を買っている人もいる。私も場内ではタブレット端末を手にする一人なのだが・・・。横にいた、私の同世代の男性などは、スマートフォンで即PATにより、馬券を購入していた。それなら家でも出来る筈なのに・・・。

この「ウインズ」という場所だが、いずれは廃れて消えてしまうのかもしれないな、とふと思った。私は、競馬を覚えた場所がウインズ横浜であり、都内に就職した後も、夏競馬で中山・府中での競馬開催がない時期には、ウインズ後楽園によく出没していた人間である。だから、「ウインズ」という場所は嫌いではない。この日も、ウインズ新宿の場内の雰囲気に懐かしさのような感覚を覚えた。だが、同時にいずれは「ウインズ」をこよなく愛する人間というのは、絶滅危惧種のような存在になってしまうのかもしれないと思った。

最近、非滞留型の「ライトウインズ」はいくつか出来たが、「ウインズ」は新設されていないような気がする。地方競馬の施設が「J-PLACE」になった例はあるが、競馬全体で見れば「新たな設備」ではない。新たに「ウインズ」を建設しようとして、周辺住民とトラブルになるリスクを考えると、新しい設備を作るのはコスト的にも合わないのかもしれない。そもそも、今の私のようにグリーンチャンネルでレース映像を観ることが出来て、インターネットで馬券を買うことも出来るのならば、「ウインズ」などは必要がないし・・・。

一方で、JRAはグリーンチャンネルの出演者などを各地のウインズに派遣して予想イベントなどを実施している。ウインズでの集客と売上に対する期待はまだあるのだろう。

そんなことを考えながら、ウインズ新宿のモニター画面を見ていて、ある考えが頭に浮かんだ。馬券を発売する窓口や券売機は設置せず、パブリックビューイングのような施設に「ウインズ」を変えたら、どうなのだろうか?館内はWiFi環境を充実させ、中で馬券を買いたいファンは手持ちのスマートフォンやタブレット端末で即PATで購入する。PAT口座への追加入金や払戻金を早く現金化したい人の為に、ATMコーナーも設置する。そして場内には大型モニターとグリーンチャンネル出演者などによる予想イベントを開催できるレベルのステージを設置する。

やり方次第では、面白い施設になりそうな気がするのだが、どうなのだろうか?施設やイベントを工夫すれば、初心者でも気軽に入ることができる場所になりそうなのだが、試してみてもらえないモンかなあ・・・。そんなことを考えつつ、阪神ジャンプSの馬券が外れていることにため息をつきつつ(笑)、私はウインズ新宿を出たのであった。

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