[日記]香港競馬の話~「早くデモが収束して欲しい」などと語る資格が、日本の競馬関係者や競馬好きにあるのでしょうか?~

11月も上旬から中旬へと時が進んでいます。今年も残りが1ヶ月半になろうとしています。

時期的に来月の香港国際競走に関するニュースが増えてきました。アーモンドアイなど、香港に遠征する馬の名前も続々と報じられています。一方で、香港で続くデモの状況が気になっている方もいることでしょう。シャティン競馬場がある地域は大丈夫だ、とか、それでもデモの影響で空港が閉鎖されたら・・・、など色々な情報が飛び込んできます。私は香港に行ったことがないので、こうした話に関して何も語ることは出来ないのですが・・・。

それでも気になることがあります。Twitterなどを見ていると、一部の競馬関係者や競馬好きからこんなコメントが出てくることがあるのですが・・・。

「日本から○○が出走するし、私も観戦ツアーに申し込みをしたのだから、何とか香港国際競走までにデモが収束して欲しい」

「○○の厩舎関係者も、香港カップに向けて懸命に調整を続けているのだから、早くデモが終わって欲しい」

気持ちは理解出来ます。でも懸命に戦っているのは馬や関係者だけではありません。デモに参加している人達も、自分が住む香港の将来を憂いて、懸命に戦っているのです。今、香港に出走を予定している馬達は、競馬が中止になっても他の選択肢があります。関係者や競馬好きの多くは、安心して生活できる場所が香港以外にある筈です。

しかし、生活の拠点を香港に置いている人達の多くは、香港以外の場所に拠点を移すのは容易なことではない筈です。だから、その香港の政治状況に対してデモという形で戦っているのです。ほんの短期間だけ香港で時間を過ごそうとする、日本の競馬関係者や競馬好きとは事情が全く異なります。「早くデモが収束して欲しい」などという資格は日本の競馬関係者や競馬好きにはない筈です。

注意しなければならないのは、こうした香港の外側にいる人達の声が権力者達に悪用される可能性です。「海外からやって来る競走馬や競馬関係者、競馬好きの安全を確保しなければならない」などという理由で、デモ参加者達への暴力的な対応が強行されるような事態だけは絶対に避けなければなりません。

今は静かに状況を見守るべきではないでしょうか。その上で、香港国際競走が中止になるのだとしても、それは「やむを得ない」と考えて受け入れるべきでしょう。来年以降、多くの人達が将来に対する不安を抱える必要がなくなった香港で、競馬を楽しむことが出来る状況になることを祈るべきではないでしょうか。

あくまで個人的見解ということでひとつ。

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