[日記]公正保持という視点からも、川崎・船橋の対応はやむを得ないと私は思います

本日2本目の日記です。今回の南関東競馬における事態を受けて、ということで。

Twitterを見ていると、関係者、ファン問わず、こんな意見をツイートされている方を見かけます。

 

-JRAが「陽性者が一人でも出たら・・・」と言い出したことが原因なのだろうけど、この程度で開催を中止していたら、競馬産業が成り立たなくなる-

 

気持ちは理解できますが、こうしたご意見には「ちょっと待ってください」と私は申し上げたいです。

騎手という立場の人は、「馬に乗ってナンボ」だと思います。体調に多少の不安があっても、痛みを感じる箇所があっても、その馬に乗って勝つチャンスを逃したくない、と考えるのが性分です。コンディション不良であっても、「その馬に乗って勝ちたい」と思い、不安点を隠して騎乗するのを「ナイスファイト!!」と称賛する人もいるかもしれません。

でも、満足に馬を追うことが出来ない状態で馬に乗る、というのは、馬券を買う側からすれば、非常に迷惑な話です。公正保持という大原則を脅かす事態と言っていいでしょう。

これまで、新型コロナウイルス感染症で陽性となった著名人で、一度はPCR検査で陰性となったものの、体調不良が続く為に再検査を受けたら陽性だった、という方がいました。PCR検査は、新型コロナウイルスの検査で最も精度が高いと言われているようですが、それでもこうした事態が起こります。

今回、PCR検査を受けた南関東所属騎手の中に、こんな人がいたらどうしますか?

 

-毎日ダルくて熱っぽいし、何を食べても味を感じないんだよね。オレ、コロナに感染しているのでは・・・?でも感染していたら、騎乗できなくなっちゃうよなあ・・・-

 

PCR検査の結果は陰性でした。その騎手はホッとしたに違いありません。しかし、体調不良はその後も続きます。調教やレースで馬に乗っていて、肝心な時に力が入りません。師匠である調教師からも指摘され、再検査を受けることにしました。結果は陽性でした・・・。

馬上で満足に力が入らない状態の騎手について、その騎乗馬の馬券を買っていた人が、後にその話を聞いたらどう思うでしょうか?「金返せ」というのが本音ではないでしょうか?公正保持という視点で考えると、大きな問題だと私は思います。

新型コロナウイルスの問題は「感染拡大防止」という視点ばかりで語りたくなりますが、競馬の場合は「公正保持」という視点でも物事を考えなければなりません。その意味でも、今回の川崎・船橋の対応はやむを得ないと、私は考えます。

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-・競馬論, 日記