[日記]賞金の没収も検討すべきだと思います
20日(日)のマイルチャンピオンシップは、リアルタイムで見ることが出来ませんでした。でも動画でレースを見た瞬間に、「これは裁決で色々あったのだろうな」とすぐにわかりました。勝ったミッキーアイルの鞍上、浜中俊騎手は23日間の騎乗停止処分となりました。仮に馬の癖が原因だったとしても、全く矯正しようという姿勢がレース中に見られませんでしたから、当然だと思います。ですが、それでも降着にはならないのですね・・・。まあ、「新ルール」導入以降の傾向通りではあるのですが・・・。
「裁決問題」については、これまでも色々なことを書いてきました。また同じ話を書くのも何ですので、少し視点を変えて書いてみようと思います。先にお断りしておきますが、悪者になる覚悟は出来ている、という前提での話です。
今回の件でペナルティを科せられたのは浜中俊騎手1人です。オーナーサイドにも、厩舎サイドにも、全くペナルティはありません。今回は浜中俊騎手の騎乗方法に問題があったのですから、その点では適切です。
ですが、こうして「降着にはならないけど、騎手は騎乗停止処分」というケースがあまりにも多くなると、オーナーや厩舎からの指示による走行妨害というケースもいずれ出て来るのではないでしょうか。「騎乗停止を食らっても、その期間中や復帰後の面倒は見てやるから(走行妨害を)やれ」という話が出てきても不思議はないでしょう。場合によっては、何らかの理由で対立関係にあるオーナー同士、厩舎同士で報復合戦の一環として、騎手に指示を出すケースもあるかもしれません。あるいは3着馬までにG1レースの優先出走権がかかるトライアルレースで、「騎乗停止になってもいいから3着までに」という話が出てきても不思議はないと思います。騎手の中には、騎乗停止期間中に(オーナーや厩舎サイドから)面倒を見てもらった方が実入りがいい、などという人もいるでしょうし。厄介なのは、こうした指示の有無を立証するのは、JRAには困難だという点です。あまり語られることはありませんが、「新ルール」はこうした点でも問題があると思っています。
こういう話を書くと、「ホースマンがそんなことをする訳がない」というお叱りを受けることがあります。1人の競馬ファンという立場で考えると、確かにそんな疑いを持つべきではないかもしれません。でも、競馬の公正確保に努めなければならないJRAは立場上、こうした不正が起こり得ることも踏まえて物事を考えなければならない筈なのです。「ホースマン達の良識に任せる」などという話でいい筈がありません。
JRAが今回のミッキーアイルのようなケースをどうしても降着にできない、というのであれば、例えば加害馬がそのレースで得た賞金全額(あるいは半額)を没収するぐらいのルールを設けるべきではないでしょうか。中には不利益を被るオーナーさんもいるかもしれませんが、今回のようなケースがまかり通ってしまうと、騎手1人に全ての責任を押し付けるような話が横行しかねません。そのくらいの厳しい姿勢がJRAには求められているのではないでしょうか。大切なのは不正防止であり、再発防止なのです。その可能性の芽を摘む努力を可能な限りすべきだ、というのが私の考えです。
私はこのマイルチャンピオンシップの馬券を的中しました(取り損ですが-笑)。ミッキーアイルが降着になっていたら、馬券は外れていたでしょう。でも私は旧ルール時代のように、今回のケースは降着にすべきだと思っています。それで馬券が外れたとしても、私は納得です。自分の馬券の当たりハズレに基いて、このような話を書いているのではない、ということを最後に念のため、書いておきます。