[日記]武豊騎手の「通算勝利数」に思う/もう既に「4000勝」を達成しているのでは・・・?

週の半ばぐらいからの報道などを見ていると、「武豊騎手、4000勝まであと◯勝」という話が色々なところで登場します。武豊騎手は3日(土)の札幌10R札幌スポニチ賞をイッテツで制して、この「4000勝」まで「あと1勝」に迫っている、ということになっています。

でもこの話ですが、「ちょっと待て」と思いませんか?武豊騎手ですが、JRAでの通算勝利数は3日(土)現在で3834勝なのです。「あと1勝」、つまり現時点で通算3999勝というのは、このJRAでの3834勝に、地方競馬での「154勝」と、さらに海外競馬での「11勝」を加えての「3999勝」なのです。つまり、地方競馬と海外競馬の勝ち星も加算してのものなのです。

でもこれでも「異議あり!!」と言いたい人はいる筈です。地方競馬全国協会(NAR)の公式サイトにこんな数字があります。

武豊騎手の地方競馬における全成績(NAR公式サイトより)

ここを見ると、武豊騎手の地方競馬における勝ち星は「154勝」ではなく、「183勝」となっています(記事作成時点で)。この29もの勝ち星の差はどこから出てくるのでしょうか?「4000勝まであと◯勝」の根拠となっている地方競馬における「154勝」という数字は、地方競馬における全成績ではなく、その中からJRAが指定したレースのみにおける勝ち星なのです。つまりこの154勝の他に、武豊騎手はJRAが指定していないレース(交流戦当日に、その交流戦以外のレースでエキストラ騎乗したケースなど)で29勝を挙げていることになります。面倒くさい数え方だなあ・・・。つまりJRAが認めていないだけで、実は武豊騎手は既に4000勝を達成しているのです。どうして多くの競馬メディアはこのタイミングで「4000勝まであと◯勝」と叫ぶのでしょうか?私には全く理解できません。

この話に関しては、地方競馬側の「記録の残し方」にも大きな問題があるので、JRAやJRAのカウント方法を基に「あと◯勝」と報じる競馬メディアばかりを悪者にする訳にはいかないことは理解しています。しかし、それ以前の問題として、武豊騎手以外の騎手に関して、こうした報道が果たしてあったでしょうか?地方や海外からJRAに移籍してきた騎手が何人もいるのです。地方競馬で全国リーディングを獲得した実績を持つ騎手もいるのです。でもこうした騎手たちが今回の武豊騎手と同様に、中央・地方・海外をあわせて「◯◯◯◯勝達成!!」と報じられることはありません。だから今回、「武豊騎手だけがどうして・・・?」という想いがどうしても残ります。

そんなことを書いている私も本当は偉そうなことは言えなくて、ニュースのコンテンツで「◯◯騎手が▲▲▲勝達成」という記事を書く時に、「JRA通算」とか、「地方競馬通算」とか、お茶を濁したような書き方になってしまっている点を認めなければならないのですが・・・。さらに書くと、道営・ホッカイドウ競馬だけは「中央・地方通算」でリリースを出すので、JRAでの勝ち星も多い五十嵐冬樹騎手(北海道)のようなケースをどうするか、常に悩まされていたりなんかして・・・。

この話ですが、佐々木竹見さんの通算勝利数を、地方競馬で挙げた「7151勝」とするのか、中央競馬で挙げた2勝を加算した「7153勝」とするのか、そんなところも含めて、JRAとNARで共通見解を発表するところから始めなければならないのかもしれません。お互いにメンツもあるでしょうから、簡単に結論を出すことは難しいとは思いますが、今回の「武豊騎手、4000勝まであと◯勝」という報道にはどうしても違和感が残りますので、こんな話を書いてみました。

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