[競馬ニュース]岩手のダービー馬エンパイアペガサスが報知グランプリカップ(船橋)を逃げ切り勝ち/平山真希調教師(浦和)は重賞初勝利
8日(水)の船橋11R報知グランプリカップ(S3)は、レース前に人気馬の1頭、イッシンドウタイ(川崎)が馬体故障で競走除外に。このイッシンドウタイの除外がレースの展開、結果に大きな影響をを及ぼすことになる。
イッシンドウタイが2走前に勝利した時は先行策から押し切る形だった。今回は最内枠を引いていた。真島大輔騎手(大井)と陣営がどのような戦術で挑むつもりだったのかは不明だが、他馬の騎手と陣営の中には、イッシンドウタイがハナを切ると思っていた人もいたに違いない。そのイッシンドウタイが競走除外となった状況下でゲートが開くと、どの騎手も手綱を引き、他の馬に前を譲ろうとする。誰もが前に行きたがらない。結局、押し出されるようにハナに立ったのはエンパイアペガサス(浦和、2番人気)だった。
昨年、岩手のダービー馬となったエンパイアペガサス。南関東・浦和に移籍して3度目のレースだったが、今回は岩手で主戦騎手だった村上忍騎手(岩手)が船橋に駆け付けた。エンパイアペガサスを良く知る村上忍騎手は覚悟を決めて、ハナに立ったまま、馬を折り合わせる。2コーナー、向正面、3コーナー、4コーナー、そして最後の直線へ。まだエンパイアペガサスには余力がある。村上忍騎手は後続を突き放して押し切りを図る。その村上忍騎手とエンパイアペガサスに、外から和田譲二騎手(大井)騎乗のムサシキングオー(大井、3番人気)が迫る。エンパイアペガサスとムサシキングオーの2頭は並んでゴール板を通過。だが、エンパイアペガサスの方が頭1つ前に出ていた。エンパイアペガサスがアタマ差で逃げ切り勝ちを決める結果となった。勝ちタイムは1分55秒8(ダート1800メートル、馬場状態は良)。2着はムサシキングオー、3着はモンサンカノープス(船橋、4番人気)で、タイムズアロー(船橋、1番人気)は見せ場なく11着に敗れた。
勝ったエンパイアペガサスはエンパイアメーカー産駒の4歳牡馬。2015年に岩手でデビュー。岩手では昨年の岩手日報杯スプリングカップ、やまびこ賞、岩手ダービーダイヤモンドカップ、イーハトーブマイル、不来方賞をそれぞれ制しており、これが6つ目の重賞タイトル獲得となった。昨年のダービーグランプリでは2着に入っている。村上忍騎手が南関東の重賞を獲得したのは今回が初めて。また、南関東に移籍後、同馬を管理している平山真希調教師(浦和)は重賞初勝利となった。