[日記]一口馬主の方に質問します

夜中に地震があって、目が覚めてしまいました。眠れないので、日記を書いてしまおうと思います。前日付で「少しだけ」と書いたのに、2日続けてクイーンSの裁決に関する話で申し訳ありません(笑)。

私がこの「裁決」の話にこだわるのは、「新ルール」になってから、明らかに競馬の本質が変わってしまったように思えるからなのです。例えば、今回の件ですが、以前なら福永祐一騎手が騎乗停止になるだけではなく、トーセンビクトリーも降着になっていたでしょう。そして、パトロールビデオを見る限り、あの場面で「前が壁になってしまった」という時点で福永祐一騎手のミスであり、福永祐一騎手とトーセンビクトリーの負けなのです。「ミス」という言い方が厳しすぎるのであれば、「騎手同士の駆け引きに敗れた」と言い換えてもいいかもしれません。そして、脚を余して大きな着順になってしまう、という結果を受け入れるしか、「新ルール」以前の競馬ではあり得なかったと思うのです。

ところが「新ルール」となってからは、「騎乗停止処分を覚悟の上で、前の着順を狙いに行く」という選択肢ができてしまいました。加害馬の関係者、そして加害馬の馬券を買っていたファンにとっては、その選択肢は「ナイスファイト!!」という話になるのかもしれません。今はあの程度では降着にはなりませんから、そんな評価もアリ、ということになります。でも、被害馬の騎手、関係者にとっては「ナイスファイト!!」などという評価はトンデモナイ話だと思うのですよ。シャルールの関係者、そして関係する馬券を買っていた人にとっては、そんな評価を認める訳にはいかないのではないでしょうか。

今の時期はJRAに所属する3歳未勝利クラスの馬たちにとって、残されたチャンスがあと1~2回、という状況になっています。一口馬主をされている方で、自分の出資馬が3歳で、未だに勝ち星を挙げることができない、という方にとっては、追い詰められたような気持ちになりながら、次走の予定に関する情報をチェックしていることでしょう。そんな方々に質問したいことがあります。アナタが出資している未勝利馬に騎乗するジョッキーが、今回の福永祐一騎手のような乗り方で勝利した場合、「騎乗停止処分になっちゃったけど、勝ってくれてありがとう!!おかげで、まだJRAのレースに出走することができます。ナイスファイト!!」という話になってしまうのでしょうか?以前のように、「その走行妨害がなければ、被害馬は加害馬に先着できたか?否か?」などという話とは無関係に降着となっていた時代であれば、考えられない話だったと思うのですよ。さらに言えば、もしその走行妨害のために、「落馬負傷した騎手がいた」とか、「被害馬が故障して予後不良となった」とか、そんなケースでも「ナイスファイト!!」でいいのでしょうか?

「新ルール」ができてから、かなりの時間が経過しました。いずれは「新ルール以前」を知らない競馬ファンが大半になってしまうのかもしれません。でもこのルール改正が競馬の本質を大きく変えてしまっていることは確かで、「本当にそんな方向性でいいのか?」という疑問を抱く機会が増えました。そして、この問題について語る人も減りつつあります。今回のクイーンSに関しては、恐らく皆無ではないでしょうか。でも、本当にそれでいいのでしょうか?私は「新ルール以前」を知る「古い競馬ファン」の一人として、この点について指摘し続けようと思います。

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-・競馬論, 日記