[コラム]「府中焼け」って、今でもあるのかな・・・?

1990年代の話です。私が「競馬Webサイト管理人」としての活動を始める以前の話です。

当時、私の競馬仲間と言えば、東京競馬場か、中山競馬場で顔を合わせる人たちばかりでしたが、そんな人達の間で「府中焼け」という言葉が飛び交っていたことがありました。この「府中焼け」という言葉が某競馬雑誌でも使われていたことがあって、少し驚いたことがあります。今の若い競馬ファンの方々は、この「府中焼け」という言葉をご存知でしょうか?そして、今もそんな光景は見られるのでしょうか?

「府中焼け」という言葉が使われるのは、主に7~8月。ちょうど今頃ですね。夏競馬の時期になります。東日本地区の競馬開催が福島や新潟になり、東京競馬場はパークウインズとなっている時の話です。あっ、当時は「パークウインズ」などという言葉はありませんでしたね(笑)。まあ、今と同じように夏場も土日は場外発売が行われていた、ということでひとつ。

この夏場の場外発売時になると、内馬場にある芝生のスペースで、海水浴場と同じようにビニールシートやゴザを広げて、上半身は裸で日光浴をしていたオッサン達がいたのです。いや、オッサン達だけではなく、オニイチャン達もいたなあ。さすがに若い女性はいませんでしたが(笑)。内馬場にも自動発券機はありますから、馬券を買いつつ、レース映像を見つつ、日光浴をしつつ(笑)、という形で1日を過ごしていたようですが、当然のことながら、最終レースが終わる頃には、海に行った時と同じくらい真っ黒になります。そこで「アイツ、休みの日は競馬ばかりやっているクセに、どうして海に行ったみたいに真っ黒になってるんだ?さては府中焼けだな?」という話になるのです。

場外発売時の東京競馬場はいいですよ。牧歌的な雰囲気に包まれているというか・・・。競馬開催している時と違って、来場者も少ないので、東京競馬場が普段よりも広く感じられるというか・・・。ラジオNIKKEIのアナウンサーによるレース実況の音声は流れていますが、全体的には静かですしね。あの頃はまだ1日36レース全てを発売していたのではなく、西日本地区は後半の4レースのみの発売でしたから、その点での「ゆったり感」があったのかもしれませんが・・・、平日に起きた嫌なことを忘れるには、最高の空間でした。

夏競馬の馬券を買いに東京競馬場に行かなくなったのは、自宅アパートでグリーンチャンネルを見ながら、インターネットで馬券を買うことができるようになってからのこと。交通費をかけて、府中まで行く意味がなくなってしまいましたからね。もう10年以上も前の話になります。今でも「府中焼け」ってあるのでしょうか?この夏、久しぶりに行ってみようかな?

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